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note に自由研究記事を載せました [夏休み宿題狂想曲]

 ご無沙汰しております。2007年に連載した自由研究の記事を note という SNS に掲載しています。

夏休みの自由研究を攻略せよ
https://note.mu/sohoo_tegetege/m/m2b71fa3f875c

 このマガジンは先日当ブログでの公開を終了したものです。内容はほとんど変わりません。いただいたコメントを本文に反映したり、資料サイトのリンクや新しい施設について加えたり、と媒体や時間の流れによる変化がございますので、内容を確認しつつ懐かしみ、リライトしています。
もしよろしければご覧ください。

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夏休みの宿題を攻略せよ2008(その4:ツユクサを眺めたりめくったり) [夏休み宿題狂想曲]




 露の終わりごろからつい最近までたくさんの花を咲かせていたのに近頃ぱったり目にしなくなった。ツユクサである。

IMG_5112.JPG

(愚息が撮影。Canon EOS Kiss DX)

 朝早く探してみるとまだぽつぽつと咲き残っている。ツユクサの花はアサガオのように日が高くなるとしぼんでしまうのだ。でも、そろそろ花期が終わるのだろう。
 愚息はこのツユクサを観察対象にした。見慣れているだけでなく、特徴のある青い花を持つため同定も楽であったようだ。スケッチも楽しげにこなしている。
 ツユクサは単子葉植物綱に属する。言われてみれば確かに枝分かれのない平行に走る葉脈から単子葉類であることがうかがえる。単子葉植物綱に属する植物といえば私のイメージでは稲や麦で、葉も姿も細長く、花が地味であるという印象を抱いていた。ツユクサも道端でひっそり咲いているのだが、なかなか愛らしい花だ。単子葉植物に対する認識が改まった。やはり調べてみると楽しさが増すものなのだなあ。

IMG_5128.JPG


 愚息のいちがんさん(Canon EOS Kiss DX)を借りて撮影。中間リングをつけてみた。花びらがしおれてきているのが残念。手ぶれとの戦いであるが、マクロ撮影は楽しい。黄色いおしべの先が小さな花のような形をしている。愛らしい。

 観察しながら愚息がいろいろと教えてくれる。一学期に習ったばかりだからか、植物の部位の名前もするすると口から出てくる。
 よく見ると、茎の上のほうには花が終わったあとの莢のようなものがある。ふんわり隙間のあいた莢を覗きこむと、種ができつつあるのだろうか、一番上の莢はかなり子房がふくらんでいる。上から順に莢を覗き込んだりめくったりしてみると、下に行くにつれ子房のふくらみ具合が少ないことが分かる。上から順に花が咲くのかもしれない。下から二番目の莢の中身は茶色くしなびた花びらのように見えた。愚息の観察記録を見ると、上のほうの莢と下のほうの莢それぞれをめくったところをスケッチしている。使用前、使用後みたいでおもしろい。
 写真の花は一番下の莢から顔を出している。

 こちらは上から2番目の莢の中身。莢の部分をめくってみた。

IMG_5131.JPG


 子房がふくらんでいる。一番上の莢の中身が一番熟しているのだが、莢の中を見たらアブラムシだらけ。どっひゃー、とうろたえて手ぶれしてしまった。あまり気持ちのよいものではないので写真掲載は見送って正解かもしれない。


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夏休みの宿題を攻略せよ2008(その3:シダを前にして途方に暮れる) [夏休み宿題狂想曲]




 山のようなドリル(私からするとたいした量には見えないが、まあ山のようなんだろう)を前に目を白黒してきゅうっとなっている愚息の様子があまりに哀れなので、植物観察に行かせた。これもまた学校の宿題なのだが、ご近所とはいえフィールドに出れば水を得た魚のごとく生き生きする、男子中学生とはそんな生き物なのである。

 今回の植物観察の課題、私のブログ記事更新が追いついていないため話が前後してしまうかもしれないが、今日の昼段階でシダ植物を残すのみなのである。まあ、他の植物観察は割愛しちゃってもいいかもね。

 あらかじめご近所を見てまわり、公道に勝手に生えていると愚息が判断したシダ観察ポイントは2ヶ所。公道に生えていれば、わざわざ観賞用に植えたよそ様の財産ではないので心ゆくまで眺め倒すことができるというわけだ。こうして愚息が路傍にしゃがみこんでためつすがめつするに、どちらも同じ種だという。

 これがくだんのシダである。
DSCN2296.JPG


 今まで愚息一人で順調に同定できているため、安心して放置。


シダハンドブック

シダハンドブック

  • 作者: 北川 淑子
  • 出版社/メーカー: 文一総合出版
  • 発売日: 2007/09
  • メディア: 単行本



 こちらは家人が愚息に買い与えた本。うすーいのであるが、これが説明文も親切かつ丁寧、持ち歩きしやすく、理想的なサイズだ。

 しかし、ここで事件発生。なんだかうんうんうなっていると思ったら、愚息がため息をついた。大げさかもしれないが、これは事件だ。種類が分からないのである。
 わかんないってあんた、ええ? そんなこともなかろうよ、と愚息の様子を見ているとどうもよろしくない。あてずっぽうにひたすらハンドブックのページをめくって似た形のシダの名前をひたすら読み上げている。それじゃあダメだろうよ。シダの場合、花が咲くわけではない(隠花植物という)ので細かい特徴を丹念に拾わなきゃいけないんである。そうでないとどれもこれも似たようなシダに見えてしまうんである。
 しまった。今までがちっとばかり順調だったので気を抜いてしまった。慌ててパソコンを起動し、シダ全般、生息地や細かい特徴の2ルートから探るべくネットの海を漂う。同時にまずハンドブックのはじめに載っている説明を通読し、シダ植物のつくりなどを押さえて観察しなおすよう愚息に指示。
 だいたい、被子植物観察のときにも場当たり的にぺらぺらと『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本』をめくっていやがったので、まずはじめの説明をじっくり読むよう教育的指導をしたんじゃなかったか。こうして母の真心込めたアドバイスはスルーされるってわけね。なんだか虚しくなっちまうなあ、もう。
 そんなこんなでぷんすかしながら私が検索して絞り込んだものと、愚息がハンドブックを(シダ植物のつくりを押さえてもなお)ぺらぺらめくって絞り込んだものが一致したので、仮に同定できたものとした。

 今回愚息が観察したのはベニシダである、きっと。多分。あやふや。
 このようにふわふわしちゃっているのには理由がある。ただでさえ素人には見分けのつきにくいシダ植物の中でもとりわけこのベニシダは判別が難しいのである。似たような形のシダがほんとにたくさんあるのだ。ベニシダの名前の由来はおそらく新葉が赤みを帯びているところからきているのであろう。

ベニシダの新葉(初夏に神代植物園内バラ園の生垣にて)
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 今回の観察対象には新葉がない。似た形の他種と比較して消去法で同定を試みた。似ていると思われる他種と一致しなければベニシダと決めてしまえという、腰は引けているのに開き直ったやり方である。
 親子して顔を突き合わせてシダ相手に奮戦。母のしつこいサジェスチョンによりやっとシダ植物の特徴をある程度つかんだ愚息が、ゲットしたて、ほやほやと湯気の立つおニューの知識をもとに今回の観察対象について説明してくれた。

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 羽片をひっくり返すとソーラス(胞子嚢群)がびっしり。愚息によるとこれは熟した胞子嚢なんだそうな。なでると、ざらっとした手ざわり。指に茶色の粉状のものがつく。

熟していない胞子嚢(ベニシダ).JPG

 同じ株の別の葉の裏には熟していないソーラスが。透き通った包膜で覆われているのでぷよっとした感触なのかと思いきや、さわると硬い。中心からぐるっと螺旋を描いているようにも見える。

 うんうんと唸った結果…消去法的小心かつ強引な手法でベニシダらしいと当たりはついたものの、なんだか据わりがよろしくない。愚息は
「これじゃ宿題にならないかなあ。他のシダを探しに行ったほうがいい?」
 としょんぼりしている。ソーラスだの羽軸だの2回羽状だの鱗片だの、と愚息なりに特徴をつかんで調べるのが楽しくなってきたところなので、はっきりと結論が出ないのが悲しいらしい。

 母は思うのだけれど。調べてみたんだがはっきりしないという結論でもよくはないかね。今回の課題は確かに同定ができることが前提にはなっていると思う。でも、あーでもないこーでもないと調べたり比べたりしたことを丸々なしにするのはちともったいない。他種と比較したことを観察記録に盛り込んではどうかね。

 ということで、同定に失敗した記録も愚息はスケッチに細かく加えた。評価を度外視した観察記録ではあるが、それはそれ。「これからは道端のシダもじっくり見てみることにする」と愚息が言い出したことが本日の収穫であろう。


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夏休みの宿題を攻略せよ2008(その2:ヨウシュヤマゴボウをじっくり眺める) [夏休み宿題狂想曲]




 今年の愚息の理科の宿題は植物観察だ。単子葉類2種以上、双子葉類2種以上、裸子植物2種以上、シダ植物1種以上、と具体的に課されている。用紙もいただいてきた。全体図を鉛筆で描き、詳細はルーペで見るなり、しゅぱっと裂いて断面を見るなり、好きにしてよいと指示されたらしい。愚息によると、授業中にある程度トレーニング済みとのことなので親の出る幕はないのである。助かるわあ。

 愚息がここしばらく注目している近所の空き地。ここの優占種夏の陣で天下取りに名乗りを上げている種のひとつがこちら。

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 房がたくさんぶら下がっているのでちょっと寄って撮影。

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 よく見ると蜂がいる。虫媒花なのかしら。愚息が虫媒花と風媒花のシベの特徴の違いについて解説してくれる。ほうほう。授業で聞いたことをそのまんま再現しているのだろうけれど、右から入って左へ受け流すタイプの愚息が授業内容を覚えていたことをまず母として喜びたい。よって、ここで「いやあねえ、先生のお話の受け売り?」などとつっこんだりはしない。話はキキョウのおしべとめしべを比べると発生に時間差があるということにまで及ぶが、心ゆくまで薀蓄を垂れてもらった。ちなみにこのとき、近くでキキョウが咲いていたわけではない。薀蓄たれとの会話は、こういう話題の飛躍も愛でつつ楽しむのが作法ってもんだ。

 帰宅後、愚息が早速どんな植物なのかを調べる。まず、見た目からある程度どの植物の仲間なのかを絞り込まなければならない。こういうのはなかなかてこずるのだ。案の定うんうんうなっている。


街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本

街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本

  • 作者: 岩槻 秀明
  • 出版社/メーカー: 秀和システム
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 単行本



 実は同時進行で私がネット検索して先に名前を突き止めていたのだが、今回はなんとか愚息が自力でたどりついた。ふうう。一安心。この本は家人が愚息に買い与えたもの。分かりやすくてよい。植物学の基本的な用語解説や、外来植物、その周辺情報(外来生物法)まで載っていてなかなか便利だ。難点はちょっと持ちおもりするところだけれど、記載されている情報量の多さを考えると文句は言えない。

 今回愚息が観察した草はヨウシュヤマゴボウ。まだ花や青い実だけだったのだけれど、これが熟して黒っぽくなるとなじみのある植物であると気づく。子どもの頃、よく熟した実をつぶしてその辺のコンクリートの塀になすりつけたり、赤紫の色水を作ったりして遊んだものだ。

 ヤマゴボウという名前であるが、よく山菜として売られている山ごぼうはアザミの仲間なんだそうだ。こちらのヨウシュヤマゴボウは有毒。本の解説に目を通した愚息から
「絶対なめたり食べたりしないでね」
 と釘を刺される。うーん。無邪気に何でもなめたり口に入れたりするように見えるんだろうか。私って。
 ヨウシュと名前にあるとおり、外来植物である。明治時代に日本に入ってきたらしい。それはもうすさまじい繁殖力である。近所の空き地でもすっかり優占種争いの覇者(のひとつ)である。

 愚息が課題のスケッチに取りかかっている間に、私のほうは愚息のいちがんさん(Canon EOS Kiss DX)を借り、このヨウシュヤマゴボウを被写体にしてマクロ撮影を楽しんだ。中間リングを使ってよりぐうっと寄ったマクロ撮影にチャレンジ。これがなかなか難しい。手ぶれしちゃう。そのうちにスケッチを終えた愚息が乱入してきた。フラッシュにティッシュをかぶせて(国立科学博物館の友の会会報誌に載っていた)愚息が撮影するとなかなかいい感じに。

IMG_5066.JPG


 なんだか、その辺に生えている雑草って感じがしないなあ。かっこよく撮れているではないか(親ばか)。


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夏休みの宿題を攻略せよ2008(その1:理科の宿題を手伝うと称して空き地を観察して遊ぶ) [夏休み宿題狂想曲]




 夏休み前、「自由研究ネタを探さなきゃね」などと家族で話していて、「カメラの仕組みを調べたりするのも楽しいかも」「植物もいいかも」などと盛り上がっていたのだが、ふたを開けてみたらば自由研究が課されないのだという。昨年、受験勉強そっちのけでやたら盛り上がっただけに、ちょっとがっくり。

 学校でいただいてきた夏休みの課題リストを見ると、中高一貫校だからだろうか、高校まで6年分すべて記載されている。理科の項を見てみると、中学生全学年共通の課題があるようだ。2年、3年と進級するたびにプラスアルファでレポートが課され課題が増える仕組み。ううむ。来年が怖いのう。ちなみに、自由研究は中学3年生のみ課されている。6年間で1回しかチャンスがないらしい。自由研究は大変といえばとても大変なのだけど、1回だけとなるとこれもなんだかさびしいような。今回中学生全学年共通の課題、テーマが植物の観察なのだけど、これは一学期にがっちりトレーニングされたらしい。親がわざわざリサーチしたりしなくてもよいようだ。なるほど。いきなり自由研究を課すのではなく、子どもが自力でできるようにステップを作って教えているわけね。ステップが長期計画で親切設計されているところに先生方の深い慮りがうかがえて好ましい。

 そういうわけで、とりあえず理科の宿題に関しては、裏でひっそりと細かくリサーチしておいて
「あらまあ! もうこんなにできちゃったの」
「ちょっと遊びに入っちゃっているから軌道修正しようね」
 などというべったりがっちりのフォローも必要ない。「2学期までのカウントダウン開始ー」などと煽り立て尻をたたくぐらいで済む。ありがたいことである。

 でも、愚息の植物観察にくっついて歩き回る。これをネタに遊ぼうという魂胆である。愚息はまだ素直というか、ちと幼稚なところがあるので私が一緒についていくと喜ぶ。母が手伝ってくれていると思っているらしい。手伝ったりいたしませんことよ。見てるだけー。
 大体、愚息は傍で見ていたりするだけで「親が手伝ってくれる」と思っているようだが、それはどうかなあ。ありがたく思ってくれるのはうれしいのだけど、ベクトルの違うご家庭のお手伝いっぷりというのを知ったら感謝の念がぺちゃんこにしぼんじゃうのかね。

 というわけで、夏休み前、「自由研究ネタになるかもね」なんてなんとなく見ていた空き地。ここが愚息の主な植物観察フィールドとなった。この空き地には夏休み前、ツユクサが咲いていた。まだ更地になって長期間経ていないのだろうか。同種の草が肩を寄せ合うようにして小さく群れて生えていたが、そのコロニー同士には間隔が空き、草の丈もまださして高くなかった。これが6月下旬。

 7月半ばになるとこうだ。
DSCN1643.JPG

 どっひゃー。一ヶ月弱ですんごいことに。草の丈も高いところは140~150cmくらいにはなっているんじゃなかろうか。コロニーも一部境界が入り混じり乱れてきて、優占種争いも激化の様相を呈している。まさに世は戦国時代、群雄割拠といったところだ。

夏草や兵どもが夢の跡   松尾芭蕉
 有名な句を思い出しちゃう。この空き地では、つわものは人じゃなくて草たちといったところか。

 そしてこれがおよそ一週間前。8月上旬だ。
DSCN2103.JPG

 上の写真と大体同じ位置から撮っているのだけど…。さらにすんごいことになってるなあ。完全に向こうの建物が見えなくなっている。草の丈はすでに愚息の背丈を越えている。170cm近いんじゃないか。すさまじい茂りっぷりだ。優占種という天下取りの夏の陣、ほぼ大勢は決した模様。

 こうやって同じ空き地を眺めるのもなんだか楽しいな。次回は、愚息が植物画を描くのを横目で見ながら母は遊ぶ、の巻。


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はて、自由研究どうしようか [夏休み宿題狂想曲]




 もう六月も下旬である。愚息の期末テストが近い、というのももちろん気になるが、やる気のない中学生の息子にがっちりべったり張りついて勉強を見てやるというのもなんである。報われないむなしい作業になるのは目に見えている。精神衛生上よろしくない。様子を見つついつでも「べったりがっちり」できるようにはしているが、今のところ学校の授業が楽しいといっているので、もっとできるように分かるようになりたいと踏み込んだ気持ちになったときに「すわ!」と馳せ参じるつもりでいる。やきもきしつつ見守るたかだか五歩(拙宅は狭い)、遠い道のりだ。

 それはともかく、あと1ヶ月もすると夏休みなんである。早い、あっという間だという感懐はさておいて、夏休みといえば自由研究があるじゃないか。この自由研究、私が働いている間は工作や旅行記など(尻をたたくのも短期決戦で済む)でお茶を濁していたのだが、愚息の希望を真に受けてがっぷりレポートに取り組んだ昨年、遅まきながらこれがとてつもなく楽しいものだということに私は気がついたのである。いやあ、なんというか、無事に完成させることができたから味わえた達成感であるが、あれはよかった。自由研究、これはもうお祭りだね。今からわくわくと楽しみで仕方がない。私の昨年の役割は情報とスケジュールを整理し、レポートの校正をすることだったが、愚息本人はともかく、サポートに徹した私もあれだけ砂つぶに翻弄されていながら懲りないものである。

 問題は今年のネタと愚息のモチベーションである。

 家人は鉱物好きと化した愚息の興味をさらに深めたいという気持ちが強いようだ。私は論旨のすっきりしたレポートを書いてもらいたい、この点は譲れないが、それを除けばただ愚息があーでもないこーでもないとやっている様子を観察するのが楽しみなだけなので、特にジャンルにはこだわらない。
 昨年は愚息が砂つぶをテーマにすると、大まかながら本人の発案があったのでレポートや検証に不慣れな点を除けば比較的スムーズに進んだといえる。中学入学以来、ぽつぽつと家族の間で「今年の自由研究はどうしようか」という話が出ているのだが、なかなか芳しい手ごたえがない。なんといってもレポートを書くのが苦痛というイメージを抱く愚息のモチベーションがあがらない。私としては貴重な家族のレクリエーションの機会が減っては困る。すっごく楽しみにしてるのにい。自由研究は確かに学習なのだが、学習効果は所詮本人自身ものなので、私のスタンスとしてはレクリエーションなのである。

 そんな中、先日、家族そろって散歩をしていて愚息が自由研究ネタを拾ってきた。
 近頃休日になると家族で近所をぶらぶらしつつ写真を撮る。その日はいつものルートから外れて違う路地に入ってみた。すると、住宅密集地のご近所では珍しく空き地があるではないか。近頃だんだんと群生を見かけなくなっているように思われるツユクサが咲いているのを見つけたので写真を撮った。

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 路地に面して一本ロープがはってあるので中には入れないが、外から見える範囲で知っている草の名前を愚息に説明していて気がついた。まだ更地にしてから長期間たっていないのだろう。草がぐんぐん伸びはびこる梅雨のこの時期に、まだ種類入り乱れた密生状態になっていない。地面が露出する中、草が生えている。よく見ると、同じ種類の草が集まってコロニーを作っているのである。コロニー間にまだ空きがあるので、この空き地の中で優占種を決める争いが本格化するのはこれからであろう。
 愚息にそのことを語りながら、植物がそれぞれ進化の末に戦略を持って繁殖していると考えられることを、手の届く範囲に生えているカタバミを例に説明した。カタバミは黄色く小さな花を咲かせる。そして、ミニチュアサイズのオクラのような形の実を縦につんつんとつける。この実が熟した辺りを見計らってカタバミのコロニーに手を突っ込み、手のひらを地面と水平にしてふりふりと振ると、ぷちぷちと種が弾け飛んで楽しい。この、タンポポのように遠くに種を運ぶ仕組みではないところにカタバミの戦略を感じとれはしないか。自分の株の葉が開く範囲を少し外れる程度の距離に種を飛ばすことで、同じカタバミのコロニーが徐々に広がっていく仕組みだ。
 まだ生態系を学校で習っていないのだろうが、先月かはくのダーウィン展を見に行ったので進化論が全く分からないわけでもないようだ。母の拙く怪しい説明もあらかたは飲み込めたらしい。愚息はこの空き地で繰り広げられる静かな陣取り合戦に感銘を受けたか、
「これ、自由研究にならないかなあ」
 と言い出した。
 確かに植物コロニーの盛衰を長期間にわたって観察するのもおもしろそうだ。しかし、目の前にロープ一本。明らかに「立ち入るな」という意思が感じられる。これを自由研究にするにはまず地主を探し立ち入り許可をもらう作業が必要となる。だいたい、次に見に行ったらもう地面を掘り起こして工事が始まっていたらどうするよ。こことは別だが、同じご近所の幼馴染の女の子の家は取り壊し後一週間ですでに工事が始まっている。
「それでも『僕が草むしりをするので観察させてください』って交渉するという手はあるよね。工事の開始時期を夏休みの後にしてもらうのは無理だとしても」
 と愚息に言うと
「うーん。無理かあ」
 とあきらめた様子。何より草むしりという点に引っかかりを覚えたと見た。無精者め。
 この空き地で植物観察、標本採集もできて一石二鳥であるが、近日中に家を取り壊して数ヶ月放置するプランがあるおうちのお子さん向けのテーマとなりそうだ。拙宅にはそんな都合のよい地べたはない。却下。

 そういうわけでテーマ決めですでに難航している。大丈夫なのか、愚息よ。今年は自由研究で楽しく愚息観察ができるか、母は大いに不安である。

2008年6月24日追記:
すうちいさん( ブログ「理科散歩 -本の森へ-」 )からいただいたコメントで
誤りに気がつきました。優先種ではなく、優占種が正しいです。
記事本文の該当部分を訂正しました。すうちいさん、ありがとうございます!



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